テクニカルコミュニケーション(TC)に関する学術的な研究会を開催

第7回 「共感とテクニカルコミュニケーション」(2016.3.26)

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第7回となる研究会のテーマは、「共感とテクニカルコミュニケーション」です。

 テクニカルコミュニケーション(以下、TC)は「わかりやすさ」を追求し、実現してきました。しかし、「わかりやすさ」だけを追求すれば、それでよいのでしょうか。TCが人間相手のサービスであることを考えると、人間が求める、「わかりやすさ」以外の価値を提供する必要があるのではないでしょうか。

 そこで第7回は、「共感」に着目し、「わかりやすさ」にかわるTCの価値をテーマとしました。このテーマは、昨年8月と10月に行われた、TCシンポジウム2015(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会主催)でも扱われたトピックです。さまざまな立場から議論することで、共感とTCの関係について理解を深めました。

一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会

日時

2016年3月26日(土)13:30-16:30

場所

東京工業大学キャンパスイノベーションセンター(CIC)
多目的室1

プログラム

13:10- 受付開始
13:30-13:35 開会挨拶  森口稔(研究会代表、長浜バイオ大学)
13:35-13:40 企画趣旨説明  島田英昭(信州大学)
13:40-14:10 島田英昭(信州大学)「共感と学習の心理学」
14:15-14:45 冨永敦子(はこだて未来大学)「TCコミュニケーションにアドラーの共通感覚は役立つか」
14:50-15:20 平湯あつし(株式会社カイ) 「どうすれば共感されるのか?なにが邪魔するのか?」
15:30-16:30 総合ディスカッション
司会:森口稔(長浜バイオ大学)

レポート

企画趣旨として今回の研究会の企画を担当した信州大学の島田英昭さんより説明があり、研究会が始まった。

これまで“わかりやすさ”を追求してきたTCは、情報をどう伝えるかにフォーカスしてきた。現在、「情報 対 人」から「人 対 人」のコミュニケーションがより重視されるようになってきている。つまり、「認知」から「感情」についても配慮が必要だということだ。感情を共有する、「共感」とは何か、どのようにわかりやさとつながるのかを探っていきたい。

発表1の島田英昭(信州大学)「共感と学習の心理学」では、学習する際に共感を引き出す情報をあえて加えた場合、加えない場合で、読み方、理解度の変化を検討する実験を行い、そこから得られた結果と考察が発表された。

発表2の冨永敦子(はこだて未来大学)「TCコミュニケーションにアドラーの共通感覚は役立つか」は、アルフレッド・アドラーが提唱し、研究されてきたアドラー心理学の行動や感情の捉え方を知り、TCへの応用の可能性が述べられた。

発表3の平湯あつし(株式会社カイ) 「どうすれば共感されるのか?なにが邪魔するのか?」は、豊富な制作経験を通して、共感を引き出すための工夫と、邪魔をする壁、課題について指摘された。

その後の全体ディスカッションでは、研究者、メーカーのマニュアル担当者、TC関係者、学生と多様な属性の参加者が全員で参加してディスカッションがなされた。

「共感」の定義は何か。反語は何かといった話題から、多様なメディアで情報を発信、共有する時代の「共感」についても意見が交わされた。
初参加の学生からは「そもそもマニュアルで、何故、共感を読み手から引き出す必要があるのか?」といった本質に触れるような質問も提示され、メーカーの取り組み、制作者の意図などが語られた。
多様な視点を知り、自分なりの考えを発信する。リアルな研究会ならではの刺激的な研究会となった。

(記録:高橋慈子)

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